「みんなの検索」リリースしました

昨日、仕事で開発をすすめていた検索機能をリリースしたので、ちょっと紹介します。

「gooウェブ検索」で、自分に似た検索をしている人たちの関心事が見える機能「みんなの検索」を提供開始

gooのweb検索で適当なキーワードで検索すると、結果表示面の一番したの方に「みんなが検索中」というボックスが表示されます。

これは何かというと、いま入力したキーワードと同じような意味や関心ごとを持って検索している人たちの検索キーワードがストリームっぽく表示される、というモノです。

http://search.goo.ne.jp/option/topics/2011/

「みんなの検索」は、同じまたは類似した検索キーワードを入力して検索している他のユーザが、どんな検索キーワードを入力しているのかを表示する機能です。あなたに似た人たちが、たった今しらべているキーワードのストリームが表示されます。

これまでの関連ワードやサジェスト機能とは異なり、「知りたかった」ものを見つけやすくするだけでなく、あなた自身も気づいていない「知りたい」欲求を刺激するキーワードを提供します。

コンセプトのようなもの

いままでの検索は、とにかく目的の情報に最短距離でスピーディーにたどり着くための道具でした。

それに対して、「みんなの検索」でねらっていることは「脱線」です。

例えば、町中をぶらぶら歩いているときって、周りの人の様子や景色が自然と目に入っていると思います。無意識のうちに。「あの子がきてる服かわいいな」とか「あ、こんな店できたんだ」とか。

それって人間という動物が、無意識のうちにさまざまな「気づき」を得るためにすごく高度な「情報探索」を行っている、ということだと思うんですよ。

その観点からすると、一般的な検索エンジンが提供している機能とは、いってみればその高度な人間さまに競走馬のマスクをつけさせて、「目的物しか見せない」「とにかくよそ見をせずに、速く検索結果にたどりきなさい」といっているようなモノかもしれません。

事実、調べたい情報や知りたいことが明確に定まっているときには「速さ」というのが最も価値が高くて、それが多くの人に支持されているわけですが、せっかくの高度な頭脳と尽きることのない知的欲求をもった「人間さま」に対して、情報を絞り込むだけのアプローチしか提供しない、というのは面白くない。というかもったいない。

なので「みんなの検索」では自分と近しい興味・関心ごとを持った人たちが何をしているのかを、心地よいノイズとして出していこう、と考えた訳です。

自分が調べたいと思ったことと、直接関係はないかもしれないけど、思わず「おっ」と思ってしまうような情報、もしくはその手がかりが、偶然にも目に留まるかもしれません。

脱線 = 探索行動の入り口として、検索そのものを楽しんでもらえたらいいなぁと思ってます。

技術的なはなし

えっと、あまり細かいことは書けません。

ですが、ざっくり言うと、裏側で直近数時間分の検索データを類似ユーザというくくりでインデキシングしておき、検索クエリーが投げられた瞬間にオンザフライでベクトル化して類似検索、みたいな流れです。

「類似ユーザ」ってどうやってくくってるのよ?とか
オンザフライでベクトル化ってどうすればできるのよ?

といった部分は秘密のアッコちゃんです。ナイショ。

大量のベクトルデータのインデキシングと類似検索の部分は、以前このブログで紹介したLuigi(ルイージ)を使ってます。

http://d.hatena.ne.jp/download_takeshi/20101121/1290364695
perlで高速な類似検索エンジンを構築できるようにしてみた

実験的なコードなんでCPANにあげてませんが、実戦で使いつつ、そのうち洗練してきたらアップしようかな。


というわけで、gooでの検索がちょっとだけ面白くなったのではないかと思いますので、ぜひ使ってみてください。